危機に瀕した奴の各懺悔の様子。

 一観客として「127時間」へ。ミニマルな話を手を変え品を変えた画面や編集で可能な限り間を持たせるという試み。単独登山で腕を挟まれりゃ、生還するのには、やることは一つだと観客にも分かっていることを前提に進んでいくわけで、その場面よりもその決断に至るまでの飢渇に重点を置いて描写している。だから見終えた後の水が旨いし、無意味に水が飲みたくなる。「サバイバル」での米兵ロバートとの水を巡るエピソードを想起させるような、逆説的に爽快な映画だと言える。それは肝心の決断と実行が案外淡々としており、それまでの人生への反省などで妙に必然性が補強されていたと言うことでもある。やはりスイス・アーミーナイフは偉大であり、この腐った国では刀狩の対象となっているが、どこに行くにも持ち歩くべき必携アイテムである。カードなんかは焼いて捨ててしまいな。


 一観客として「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」へ。前作を観ていないと全く理解ができないという点が好感が持てる悪意ある設計。前作のヘザー・グラハムがスルーされているのも酷い話(誉め言葉)だし、案外スパイシーながらどうでもいい存在だったチャウが重要人物になっているのも意表を突かれた。ただし、チャウ自体は愛すべきキャラクターとしてもっと活躍が観たいが、個人的には非常に似た感じの人格破綻の酔っぱらいを思い出させられ、複雑な気分になる。とはいえ身体損壊や人命軽視、動物虐待ネタは加速する一方なので案外この路線を突き詰めるのも、しばらくは退屈させられないで済むだろう。猿が「トラブるモンキー」並にカワイイのも重要だが、「プライベート・ライアン」組だけあって、ポール・ジャマッティが無駄にマッチョなのもポイント。


 一観客として「スカイライン−征服−」へ。ロスの街で、宇宙人の突然の侵略が「宇宙戦争」よりクリアに展開される場に遭遇した一市民の視点で描かれる惨事は、視点は狭いが奥行きがあって怖くも楽しい。エイリアンの造形がキラキラしているため、細部があまり見えない不満点はあるが、POV映画のデメリットを廃した宇宙人侵略映画としては「世界侵略:ロサンゼルス決戦」のアペリティフとして充分に効いている。突然始まった世界の終わりを個人の視点で描く場としては、「クローバーフィールド」よりも高層からの俯瞰に気を配っているので、同傾向の田舎を舞台にした作品より終末感が強いのだ。それに「AVP2」のストラウス兄弟の作品にしては、また投げっ放しの予感を裏切り終盤に見せる一種の大逆転が、言い訳っぽくても「デビルマン」のように悲壮感を持って痛快。B級バジェットの作品としてはキッチリ楽しませてくれるので、物足りなさは「〜ロサンゼルス決戦」で補えばいいな。
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