2006-01-01から1年間の記事一覧

ティッシュで拭き取り、処分するような読書。

それは性欲処理に似ているかも知れないからな。何かのコンプレックスが俺を動かしているのか、単に色んな事を知りたいだけなのか。読んで、ゴミ箱ではなく本棚に収める。そりゃまぁ、あそこまでの虚しさはないから、単に知りたいだけなんだと思いたいが。 ハ…

また本だ。

読んだはいいが、書いていないネタが残っているから、一応書いておこうか。 ジョナサン・スウィフト著「ガリヴァ旅行記」読了。ジム・トンプスンが私淑している理由を探りたかった。だがそれは、読めば一目瞭然だった。メルヘンなどではない。ファンタジーな…

絶望演習としての読書。

最近は本のことを書いていなかったから、結構溜まってはいるんで、徐々に小出しに。 永沢光雄著、「AV女優」読了。世の中普通人の面していたって狂った悪人は大勢いるように、AV女優だって仕事でセックスしているだけであって、セックスが好きでも、仕事とし…

力を手に入れた奴ら、それぞれの行使法。

先日はパルコミュージアムにて「サンダーバード・イン・ジャパン」展へ。 俺が物心ついてから、かなり初期の段階で残っている記憶が「サンダーバード」だ。でもその古い記憶は通して観賞した記憶ではなくて、たまたまチラ見した、そのビジュアル的なインパク…

今年最後の行。

映画の日は結局四本。この前書いた「武士の一分」は別として、今年は邦画が洋画の興収抜きそうだと?知らねぇよ。字幕読めない馬鹿が増えてるだけだと思うね。スクリーンで観るからには、どうしても洋画がメインになっちまう。 そこで一本目、「007/カジノ…

卑怯者に告ぐ、人間の一分。

毎度の映画の日、その二本目に行った「武士の一分」について、今回は特別に一回分割いて語ってみたい。 山田洋次時代劇トリロジーの最終作であるこの作品は、物語が驚くほどストレート且つシンプルで、込められたメッセージの迷いのなさが胸を打つ、活劇とい…

孤独に深化する作業の内実。

先日は東急Bunkamuraザ・ミュ−ジアムにて、「スーパーエッシャー展/ある特異な版画家の軌跡」へ。かつて8年ほど前に新宿でやっていた「エッシャー展」にも俺は行ったが、その時よりも、「スーパー」と冠しているだけあって、作品点数が多い気がしたし、初期…

映画修羅八荒の果て。〜後編〜

〜前回の続き〜 三本目は「スネーク・フライト」へ。何一つ非の打ちどころがない素晴らしい作品。一切の思考も批評も拒絶する、凄まじい感動が待っている。空飛ぶ密室に毒蛇、セックスする奴から死んで行く正しい展開、巻き起こるパニック、そして、全てを正…

映画修羅八荒の果て。〜前編〜

暴力が横溢し過ぎて、その組み合わせが良過ぎて、今月も行ったよ。 一本目、試写状頂いていたが行けなかった、「父親たちの星条旗」へ。この作品は硫黄島の戦闘そのものを描くものではなく、その戦闘に参加した人間の数奇な運命を描いたものなので、戦闘シー…

スコセッシ+ニコルソン=極上のバイオレンス。

ワーナー・ブラザーズさんにご招待頂き、待望のマーティン・スコセッシ最新作、「ディパーテッド」試写へ。これは言うまでもなく、早くも新世紀香港ノワールのマスターピースとなった「インファナル・アフェア」トリロジーの第一部を、舞台をボストンのアイ…

己が狂っても続ければこその修羅。

結局今月は体調不良により二本。駄目だ、俺は確実に酒によって自分を殺そうとしている。止めるのか、止められるのか、解らないにしても、決断はしなければならない。それでも壊れていくものは止めようがないから、呪いをかけた張本人のキチガイは、さぞ喜ん…

チンポもマンコも反省なんかしねぇ。

“腐れチンポの代議士”が、“腐れオメコのたけしの愛人”とヤッただのヤラねぇだの、そんなの今に始まった事じゃないだろう? 綺麗事言っている奴ほど、こうした法律で縛られていない部分は何やってもいいと思っていやがる。世の中を綺麗事でしか捉えられないヤ…

じじいのファックの気合い。

P2さんにご招待頂き、「世界最速のインディアン」試写へ。 62歳にしてバイクで世界記録をうち立てたという、ニュージーランドのオッサンの実話の映画化。監督がリメイク版「ゲッタウェイ」のロジャー・ドナルドソンなんで、どんな話なのか気になったんだ。で…

本当の哀しさは灰色じゃない。

ワーナー・ブラザーズさんにご招待頂き、「スキャナー・ダークリー」試写へ。冒頭からブッ飛ぶ。映画とは、SFとは正に“画”の力であることを改めて思い知らされる。といっても極力SF的なガジェットを廃した、“SFらしくないSF”だ。ではなぜそこまでインパクト…

本の逆襲。

積もりに積もった本についての雑感を。「白き旅立ち」渡辺淳一 吉原、女郎。疲弊しきって、明治には偏見も多かったであろう、その身を腑分け(献体)へ。しかもその志願解剖第一号。このような人が創作の部分も含めても実在したとはにわかに信じがたい。当時…

ブライス・ダラス・ハワードという微妙。

ワーナー・ブラザーズさんにご招待頂き、「レディ・イン・ザ・ウォーター」試写へ。出世作「シックス・センス」に端を発する慣習だが、シャマラン作品を観賞する時、オチの予測というのが一つの楽しみ方となっていることに、異議を唱える奴はあまりいないと…

夏が死なない為の生贄。

とはいえ、こいつら(映画)、いくら殺しても、殺しても、殺し足りねぇ。だが俺はまだ夏が終わったことを信じない。だから、念入りに。 一本目は「ディセント」へ。この監督、ニール・マーシャルの前作、狼男版「死霊のはらわた」とも言うべき「ドッグ・ソル…

バンコク旅行記、その二。

スケジュールに組まれていたイベントとして、ニューハーフショーとタイ式マッサージがあった一日こそが、自由行動以外で俺が楽しみにしていたものかも知れない。 ニューハーフショーを売りにしている建物の前で、路上を悠々と歩く、もの凄くデカいゴキブリを…

大作中心の修羅。〜後編〜

〜前回の続き〜 三本目、「アルティメット」は期待に違わぬ出来。こう断言する理由は、無名キャストばかりでも、生身のアクションにこだわっているため、変に小ぢんまりとせず、しかも中身スカスカの大作ではない、アクションに飢えた小腹を満たすには最適の…

大作中心の修羅。〜前編〜

特に言いたいことが多いわけではないが、今月の修羅の道もフル四本。だからとりあえず二回に分けておこう。 一本目。「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」は俺的には結構どうでも良かったんだけど、とりあえず。なぜどうでも良いかとい…

全て消してしまいたいヤツの素敵な幻想。

先日はUIPさんに御招待頂き、「マイアミ・バイス」試写へ。俺はこの原典たるTVシリーズは、当時小学生の為、殆んど観られていない。なんせ放送してたのが土曜の夜だ。確か10時くらいだったと思う。土曜の夜は寝る前に親父と「ゴールデン洋画劇場」って相場が…

スーパーマンは帰ってきた。では、正義は?

ワーナー・ブラザーズさんのご招待で「スーパーマン・リターンズ」試写へ。これは観て驚くほどの、かなりちゃんとした続きなんで、前のシリーズ押さえてないと辛いかも知れない。 中学生のときに「ロボコップ」と迷った挙げ句、悪名高い「スーパーマン4・最…

泣いてはいけない理由。

俺さ、涙の水分が血液から来てるってこと、今更ながら初めて知ったんだ。それから、なぜ泣いてはいけないかの意味も、少しだけ解った気がしたんだ。だから、涙を流すことは心が血を流していることに他ならないんだって。だから人は本能的に涙を流している人…

映画のお小言、でもただの殺戮。

一観客として例のごとく、死ぬまで続く巡礼へ。 一本目、「ウルトラヴァイオレット」へ。「マトリックス」チルドレンでありながら、そのオリジナリティ溢れる暴力描写が衝撃的だった、カート・ウィマー監督の前作「リベリオン」。それを超えるものが観られる…

ひさびさの試写は・・・。

20世紀FOXさんのご招待で、「X-MEN ファイナル・ディシジョン」へ。監督交代で、前二作の雰囲気が損なわれないか心配していたが、新キャラ大量投入にもかかわらず、そんなことはなかったな。どうせなら俺の好きな原作キャラ、ガンビットも出して欲しかったけ…

良書と出会う快楽、そして・・・?

滝本誠著「渋く、薄汚れ。ノワール・ジャンルの快楽」読了。自分がこのような狂気に満ちた悲喜劇と孤独を経なければ、漠然と予感していただけに過ぎなかった、人間と世界の実相(誰も彼も信ずるに足らず、裏切り合うだけの世界)について、これほど強い確信…

一月前の溜まった排泄。

先月は体調不良と不作により二本。 まず一本目、リュック・ベッソンの純粋な新作「アンジェラ」。良くできた小品だけど、あまり性的でない主演女優故、俺は逆に欲情したな。とはいえ、ベッソン作品のヒロインに欲情することは俺にしてみれば極めて希だ。こい…

バンコク旅行記、その一。

バンコクに着いた。俺にとっては宇宙旅行のようなものだ。ここが同じ地上であることが信じられない。当たり前だが、ここは日本ではなく、俺が日本みたいな国で純粋培養された常識も、法律も、全く通用しないんだ。まだそれを痛感するには至っていないが、覚…

虚無の穴に放り込んだ内訳。

浅草橋ルーサイト・ギャラリーへ、山本タカト・大展覧会「月逍遊戯〜アンドロギュノスの棺〜」へ行った。最近の山本タカトの作品はそれほどチェックしていなかったが、ふとしたきっかけで個展やっていることを知り、見てみる。昔の耽美とえげつなさのバラン…

膿のように絞ったアフォリズムをいくつか。

形になるはずのものが、まだ形にはならない。だから俺の独行に生まれたクソのような思考で、お茶を濁しておく。とりあえずは、ここに焼き付けておくことで、クソでも、無意味じゃなくなくなるからな。全部、バラバラ。なんの繋がりもない。思考の断片。でも…