映画修羅道、心の幽かな動き。

 今月一日はまたも映画の日なもんで、いつものスケジュールこなしてきた。
 一本目、「宇宙戦争」。百年以上前に書かれた小説を現代に映画化するってんだから、前例として正式な版権は取っていないけど、「ID4(インデペンデンス・デイ)」や「マーズ・アタック!」があるから、あの史上メチャクチャ有名なオチについて、嫌でもどう現代風なアレンジがされているのかってのが気になったけど、本気で忠実にやってるのね。それは良いことなんだろうけど、それを今やるスピの意図がわからん。ダコタ・ファニングは俺的には「E.T.」のドリュー・バリモアより可愛かったんでその部分は大満足。     
 二本目、「サハラ」現ディズニーCEO、マイケル・アイズナーのボンクラ・バカ息子のデビュー作と言うことで物見遊山で行ったが、現場のスタッフがしっかりしていたのか、前半はお寒いが後半的の大げさなアジトが出てくる辺りから盛り上がる。でもそれだけ。ペネロペ・クルスは今やすっかりヨゴレだ。
 三本目、「ダニー・ザ・ドッグ」宣伝の仕方が完全に間違っているが、小品にして良品。ベッソンが絡むと映画はロクな事がないのだが、「トランスポーター」の監督だけあって、よくぞベッソンのコントロールをはねのけ、オリジナリティを確立したことと思う。ジェットはいつものことだが、暴力の痛みやいかがわしさが良く出ていたね。もっとその辺突っ込んでいたら傑作だったはずなんだよ。俺は元来歯の矯正フェチだが、それを生かし切るヒロインでなかったのが残念。隣で観ていたバカ(両側)は泣いたり笑ったりしていたが、そんな作品じゃないよ、バカ。
 最後、「バットマン ビギンズ」過剰なオヤジ俳優総出演ぶりと、地味ながらリアリティ重視の設定及び演出は、あらかじめ分かってはいても最高。ゴッサムシティの造形に「ブレードランナー」を参考にしたとのことだが、ルトガー・ハウアーが出ているのはその辺への目配せなのかね?唯一、渡辺謙の無駄なチョイ役振りは理解に苦しんだ。マコ岩松とかでいいんじゃねぇの?でも良作。
 今回は総じて当たり多めかな。毎月アクションだけでいいんだよ、暴力映画しか見る気が起きない。
 あと最近は、エルモア・レナード「グリッツ」読了。猥雑で虚飾にまみれたアトランティック・シティが舞台の犯罪小説なのに、犯罪小説として完成されていながら、ロマンティックで軽妙な職人芸。しかも、恋をする勇気をくれる小説。出会いがあれば、あとは一歩踏み出すだけなんだよな。俺も頭から離れない女性がいるから、もっと近づきたいよ。マーズ・アタック! [DVD]インデペンデンス・デイ アルティメット・エディション [DVD]E.T. ― コレクターズ・エディション [DVD]トランスポーター DTSスペシャルエディション〈初回限定2枚組〉 [DVD]ブレードランナー 最終版 [DVD]グリッツ (文春文庫)