トンプスン以外は、また来た無意味な夏。

 トンプスンづいている。愛したい美しい人のことは置き去りに。逆に行くはずだったプラネタリウムもラーメン屋もうやむやにされ、置き去りにされていると言うことの方が大きいが。ぶっちゃけ脈無いんだろう。でも、真空よりましさ。そんな中「ジム・トンプスン最強読本」読了。最強って言うほどの内容じゃなくて、新訳が出るまでのお茶濁しって感じかな。ただ、今までの少ない情報にはかなりの補強になったとは思う。そして、他の暗黒ぶっているノワールと違い、トンプスンが本物の暗黒である理由が、少しだけわかりかけてきた。読むと、堕ちるよ、確実に。そして読んで、呪われろ、テメエらも。

 加えて、友人より借りていたが、その友人が完全版を入手したために結果的に頂くことになってしまった、平嶋彰彦/西井一夫著「新編『昭和二十年』昭和地図」読了。メチャメチャ良書。小綺麗な都市の外皮を剥がし、その過去をさらけ出し、ノスタルジーとは違って、その年が持っている記憶を見ようとする姿勢。素晴らしい。足で書かれた本だ。本来本とは、都市とは、こうあるべきなのだ。あとがきの、次に起こるべき革命は、車を否定したものでなければならない、云々の主張にもシビれたぜ。

 8/9にワーナーさんにご招待いただいた、ティム・バートン最新作「チャーリーとチョコレート工場」へ。これは子供向けでもカネがかかっている上に笑える。特にウンパ・ルンパ(小人)軍団の意味ねー大活躍と、入れ歯で熱演するジョニー・デップ。なんか赤塚不二夫先生作「おそ松くん」のイヤミみたいだったぞ。児童文学が原作だから、なんか教訓じみた話も入ってるけど、言いたいのは要するに、家族は大事って当たり前のこと。、俺にはそんなもの無いから、辛いには辛かったが、「チーム・アメリカ」より笑えた。間も絶妙。あんなにブラックじゃないけど、笑えるって意味では「ビートルジュース」とかに近いね。加えて言えば、みうらじゅん氏が前に“ジョニー・デッパ”って呼んでたが、それが的中したって訳だ。次作の「コープス・ブライド」に期待だな。
ジム・トンプスン最強読本新編「昭和二十年」東京地図 (ちくま文庫)チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)おそ松くん (6) (竹書房文庫)ビートルジュース [DVD]