未だ出血中、心も身体も。

 脳内に産み付けられた悪意が、一人のキチガイ女の姿となって、しつこく俺を悩ませてきた。女は自分自身の名前を呼んで、追い詰められた俺はやがて、女にそのような仕打ちをやめる様懇願する事になる。しかし、これは俺の脳内の出来事なので、表面上は何事もなく、誰にも窺い知ることなく、事態は悪化していくのみ。
 しかしそんな状態に若干の変化が訪れた。それは現実には身近に存在しない思いの対象を、無理やりに探すのではなく、アイドルでも何でもいいから自分の脳内を別の思いで埋め尽くす事。何の解決にもならないが、ひとまずキチガイ女のフラッシュバックからは逃れる事ができる。一つとして、根本的な解決には結びついていないのだが。
 「バタリアン」で、捕獲されたゾンビが、「なぜ人間の脳味噌を食らうのか?」と問われたとき、「決して癒されない死の苦しみから、束の間逃れるため」と言うような事を答えていたのを思い出す。その名前は、”オバンバ”と日本の配給会社から強引に命名されていた…。


 一観客として、「モーテル」へ。観客をナメるにも程があるし、設定としてのスナッフの安易さにも閉口。ケイト・ベッキンセールも仕事選べよ。


 12月の映画の日、一本目は「ボーン・アルティメイタム」へ。バリソンの「バタフライナイフの教則ビデオ」でおなじみ、ジェフ・イマダ先生担当の格闘コーディネートは完璧。”本気で殺し合いをしている”実感が非常に高い。そして、ジュリア・スタイルズにひたすら魅せられる。クールな美貌で、且つ内に秘めた情熱を隠した女の無表情は、シリーズ通して大きな興奮をくれた。


 12月の映画の日、二本目は「ロンリーハート」へ。打たれた頭部から噴出する血。電気椅子で処刑されるまでをきっちり描いた、刑事側視点による、「ハネームーン・キラーズ」映画。ヅラという設定で加トちゃんみたいな熱演をするジャレッド・レトより、本当にヅラの刑事二人(トラボルタ&ガンドルフィーニ)の生え際が気になった。でも、サルマ・ハエックキチガイ女は心底気味悪く、実物はあんなもんじゃないだけに欲情。


 12月の映画の日、三本目は「バイオハザード3」へ。ラッセル・マルケイに、「ゾンビ」と「マッドマックス」の融合をやらせたかったんだろうが、シナリオが未整理過ぎるぞ。前作のジルをなぜ出さない?盛りだくさんにしようという意図は分かるが、ファンサービスに昇華しておらず、カタルシスに欠ける。これではもう続編は不要。ちなみにニール・マーシャルの新作「Doomsday」の方が、同傾向の作品ながらカーペンターへのリスペクトも感じられ、女優もエロ度アップで期待できる。


 12月の映画の日、四本目は「ソウ4」へ。前作で続編の可能性を自ら絶った上で、続編の可能性をぶち上げると言う異様な終わり方ゆえに期待が高まっていたが、その期待に応え切る、というまでの完成度には至っておらず、微妙に整合性が取れていないので、これももう打ち止めだろう。それより早く一作目の監督の新作「Death Sentence」を公開して欲しい。


 12月の映画の日、五本目は「サイボーグでも大丈夫」へ。監督に撮り慣れていないテーマのせいか、オチのつけどころに難儀したままズルズルと進んでいくような印象を受けた。精神病院の話ではまず、共感までは行かなくてもいいが、観客の理解できる狂人を設定する必要があるので、その上に恋愛を描こうと言うのは大風呂敷過ぎる気がした。唯一、主人公の空想の暴力シーンは、黒沢清北野武のモロ影響下にある、引きの殺戮描写で満足。次はまた暴力映画に戻ってきてください。


 ワーナー・ブラザーズさんにご招待いただき、「"L"〜change the WorLd〜」試写へ。正直、「DEATH NOTE」は、子供っぽい話なので読んでないし観てもいないが、これは若干その設定を引きずってはいても、あくまでテクノロジーと人間の悪意を主体に据えた物語で、チラリズムの暴力描写も、説得力はあったと思う。中田監督の力量ゆだと素直に思える。


 ワーナー・ブラザーズさんにご招待いただき、「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」試写へ。血の量は多いが色彩がポップなので全然問題ない。前回の映画は描写が汚かった分、ミュージカルである事も相まって、寓話としても雰囲気は高まっている。ジジイババアの話と言うイメージを大きく覆した、ヘレナ・ボナム・カーターが一番の儲け役だ。


 SPOさんにご招待いただき、「88ミニッツ」試写へ。アル・パチーノの新作。デ・ニーロと再共演の次回作「Righteous Kill」で再度コンビを組む本作の監督、ジョン・アヴネットとの小手調べ的な意味合いも強いと思われる作品だが、次回作への期待をいやが上にも盛り上げる完成度。タイトルにある微妙な時間設定で死刑宣告を受けた、法心理学者の話だが、その時間の意味は後半明らかになるとしても、役の大小にかかわらず、女優全てが(パチーノに?)発情しているかのように描かれているのが美しく、「シー・オブ・ラブ」を意識したかのような、官能的な記憶を呼び覚ます作品だ。Advanced Balisong Manual (No. 5192)バタリアン [DVD]ボーン・アイデンティティー  (ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾) [DVD]ボーン・スプレマシー [DVD]ボーン・アルティメイタム [DVD]ハネムーン・キラーズ [DVD]バイオハザード トリロジーBOX(3枚組) [DVD]スマイルBEST ゾンビ ダリオ・アルジェント版 [DVD]スマイルBEST ゾンビ 米国劇場公開版 [DVD]スマイルBEST ゾンビ ディレクターズカット版 [DVD]マッドマックス [DVD]マッドマックス2 [DVD]マッドマックス/サンダードーム [DVD]ソウ×4 バリューパック (初回限定生産4枚組) [DVD]Death Sentenceサイボーグでも大丈夫 デラックス版 [DVD]スウィーニー・トッド [DVD]シー・オブ・ラブ:スペシャル・エディション (ユニバーサル・セレクション第6弾) 【初回生産限定】 [DVD]