2006-01-01から1年間の記事一覧

タイ、その前の呪いの正体。

渡タイ前の予習に、馳星周「マンゴー・レイン」読了。タイが舞台で未読の物語はこれ位しか思い浮かばなかった。しかも俺は馳星周作品の中で実は一番これを読みたくなかったのだ。 それは、背表紙にある粗筋の安直さから。うまい話、謎の女、張り巡らされた罠…

人間ではない、映画を詰め込む空洞。後編

そんで続きの三本目四本目。 三本目、「トム・ヤム・クン!」は、後半のバイオレンス映画さながらの暴力はかなりえげつなくていい。どんなにオブラートにくるんでも、正しくアクション映画の基本はバイオレンスにあることを痛感させられる描写の数々だ。「マ…

人間ではない、映画を詰め込む空洞。前編

それが今の俺だろ?だから今月は修羅に次ぐ修羅。血で血を洗う暴力の映画ラッシュが実現した。これぞ修羅道。長くなりそうなんで二回に分ける。 まず一本目「タイフーン」は、韓国映画史上最高額のバジェットというが、その点はあまり感動には繋がらなかった…

現実に留まる悪夢。

20世紀フォックスさんにご招待頂いた、ユアン・マクレガー&ナオミ・ワッツの新作「STAY」試写へ。自殺を仄めかす精神病患者の青年と、それを阻止したい精神科医。そしてかつて自殺未遂を経験した、その恋人。物語はその誰にも肩入れすることなく、溶けて流…

アート、映画、文学の陶酔。

先日は銀座スパンアートギャラリーで開催されていた「佐伯俊男個展」へ。今回はデビュー当初の70年代作品を中心に編んだ画集「佐伯俊男70」の出版記念と言うことらしい。一点モノのイラストより、連作や漫画っぽい作品の方が、俺的にはやっぱワイセツでいい…

人生なんて暇潰しだろ。

だから暇潰しがてら最近はギャラリーにも。もちろん目的はあるけど。 ギャラリー同潤会でやっていた、「奥本昭久写真展 たそがれ〜ぼくはそもそも〜」の為に初めて表参道ヒルズへ。同潤会アパートの部分は微妙に残してあって、別に景観が激変しているという…

修羅のなか、ふと見出した美。

映画の日だったよ、だから映画を一本一本殺すだけだ。孤独に。 「サウンド・オブ・サンダー」CGは粗いが志は高い。SF的な考証がどうのとかは気にならない程度。俺的にはモンスターの造形だって結構どうでもいい。重要なのは藤子・F・不二雄先生の短編「みど…

「映画の日」前日に俺は何をやっているんだ!?

先日は宣伝会社のP2さんのご招待で、「クライング・フィスト」試写へ。何年か前に新宿コマ劇広場で「殴られ屋」をやっていた元ボクサーの姿に着想を得て作られた映画らしい。というか何でそれを日本映画でやらないんだ?とは当然思うが、今、ある意味一番ア…

「今、ライオンにおそわれようとしているときに、もっと自分が強くなるまでまってくれといったら、ライオンはまってくれるだろうか!?〜中略〜大事なのは今だ!今、戦うことが大事なんだ!今、戦わない人間があとで戦うわけがない!!戦わないためのいいわけなんて、無限に考えつけるものなんだ!!」

そして立ち向かえば、何らかの罪に問われるのがこの世の中だ。法は「従順に殺されろ」と言っている。 だがこうした現実に対する備えをしなくていいのは、過去において全く罪を犯さず、誰も傷つけていない、と断言できる奴だけだ。そんな奴がいるとすればの話…

ヒストリー・オブ・バイオレンス。

ワーナー・ブラザーズさんのご招待で、ジェット・リーの新作「SPIRIT」試写へ。長いけど、史実ではないにしろ歴史的な背景を巧みに織り込み、見応えのあるアクション大作。言ってみりゃジェットの集大成ってところだ。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・…

本のことも書いとかないと。

って、別に義務感に駆られているわけじゃないけど。誰かに見せるよりも、俺の記録だからね。このままでは野垂れ死には確実なので。 そこで読んだのは、マクシム・ジャクボヴスキー著「キスしたいのはおまえだけ」結論から言って、いいよ。手放しではないけど…

修羅のみち、というにはほど遠い。

今月は目欲しいモノがなかったので、映画の日は二本だけ行ってきた。 というわけで一本目は「クラッシュ」。「ミリオンダラー・ベイビー」でその存在感を見せつけた、脚本家ポール・ハギスの監督デビュー作。このタイトルだと俺はどうしてもパンクバンドや、…

「ミュンヘン」が導いた、暴力と復讐への考察。

一観客としてやっと「ミュンヘン」へ。本作の初期タイトルは「VENGEANCE(報復)」だった筈だが、結局、初期タイトルのままの方が内容を端的に言い表していると思う。事実、テロに対するテロと言うよりは、ミュンヘンオリンピックでの、イスラエル選手団への…

“刺激”に的を絞った試写の行方。

20世紀FOXさんのご招待で「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」試写へ。我が国には、ロシアの情報は政治的なもの以外あまり入ってこないが、こんなスピーディーで斬新な作品が作られていた! もちろん本作の存在は、去年の東京国際ファンタスティック映画祭以…

映画や、本や本や本や本や本。

映画の日は結局一本しか行けず。「フライトプラン」やっていた渋谷の映画館は、満席と言うだけなら分かるが、立ち見させないという狭量な場所で(渋谷ピカデリー、アンタ方だよ!)、残りの「レジェンド・オブ・ゾロ」だけ行ったわけ。 爆発とかアクションは…

人に二心はない、はずだ。

我慢をしている。向くべき心を押しつけて。 だが所詮は我慢。我慢は力で為すもの。己の心を力で押しつけるもの。それを解放すれば俺自身の破滅に繋がることだって分かっている。それでも心は向く。 虚無の現状が、向かせる。 心はひとつだ。心臓と同じ数。卑…

生死の葛藤、その最中の映画体験など。

俺が死んでも、俺は死んだんじゃない。俺は死んでいたんだ。完全に。殺されていた。だとしても、その事実を認めないために、認めたくないために、脱出しようとは何度も試みたが、身体が耐えられなかっただけのことさ。精神の死に、ようやく身体が追いついた…

ホワイト・ジャズ。

ワーナー・ブラザーズさんのご招待で、「シリアナ」試写へ。 アメリカの石油業界、アラブ某国の王族、イスラム原理主義のテロリスト。これらが全て単独では機能し得ない癒着のもとにあることを告発した劇映画。劇映画と言ったのは、かつてこうした癒着は、「…

狂気の意識の流れ、その筆録。

いつもの無意味な彷徨、不毛の独歩。その課程で湧いた思念を書き留める。全ては、俺が機械となるために。俺の意識が、機械に乗り移るように。以下、その結果・・・。 生まれては死んでいく流れに、乗せられちまっている。一人ひとりが、水の分子の一粒みたい…

孤独→崇高=低俗、そのRUMBLE。

行くべき所などどこにもない俺は、いつもの暗闇へ。そこに待っていた「ロード・オブ・ウォー/史上最強の武器商人と呼ばれた男」は、話はタイトル通り。随所に時事ネタを織り込み、主人公が暗躍した80年代後半〜現在までの世界情勢からもその姿をあぶり出そ…

休みは癒しにならない。もちろん表現ではないクソ労働も。

渋谷のシネマライズへ、「ロード・オブ・ドッグタウン」行こうと思っていたけど、直前で「ダウン・イン・ザ・バレー」行ったよ。「〜ドッグタウン」は、スケボーカルチャー的には一足先に公開されているドキュメンタリー版の方が気になるな。確かにデヴィッ…

甘い初夢。そして・・・、

かつてゆきずりにセックスしただけの女との再会。その女に発見する新しい魅力。新しいセックス。新しく感じ始める愛。初夢はそんな夢だった。俺にも立ち帰るべき場所がある、そんな安堵、かつて愛したひとを、時間の隔たりがあっても同じ様に愛せた喜び、俺…